2003.3.14(金)
花に霞む川売の里
満開の梅の香りに包まれて
梅の開花が進むにつれ、訪れる人もさらに増えて、川売へ続く道は騒がしくなりました。
自家製の梅干しやショウガ漬け、タラノメにフキノトウが庭先で売られ、売る人と買う人の軽快
なやりとりが聞こえます。どこから来られました?豊橋!ほら、あそこでお弁当食べてる人
もそうだって。一緒なの?
ああ、あの人ね。彼は違うよ。歩いてきたんだ。3日前に豊橋を出
てさ。ハァーハッハッ。アハハハ。ゆったりと熟年の会話が進みます。私は目が点になった。

 

梅畑を縫うように小道を行くと、道端に春の野草が、可愛い姿を見せてくれました。

オオイヌノフグリ タネツケバナ ヒメオドリコソウ
ハコベ ツクシ カワヂシャ

そして、白いヒメオドリコソウを見つけました。幼い梅木の根元を守るように群生していた、
ヒメオドリコソウの約3分の1が白でした。「何を撮ってるんですか?」梅畑に来て、とんでもな
い方向にカメラを向けているので、好奇心にかられた観光客に尋ねられました。白いヒメオド
リコソウを と指差すと、「ああ、白いのがあるね。突然変異だね。」と興味を失ったのか、行っ
てしまいました。もう少し喜んでくれても良いのに・・と、ちょっとがっかりしてしまいましたよ。

 

<フサザクラ> 総桜・房桜 フサザクラ科フサザクラ属 別名タニグワ
東アジア特産の落葉高木で、原始的な性質を持つ植物です。
フサザクラ科はフサザクラ属のみ。フサザクラ属は、日本・中国・ヒマラヤに1種づつ3種のみ。
湿気の多い谷あいや渓流沿いに生え、高さ15メートルほどになる。木は建具や薪炭に、樹皮はトリモチの原料に使われる。
花弁も萼もなく、たくさんの雄しべが房のように垂れ下がる。これが花に見える。雄しべが散った後に雌しべが現れる。実には翼があり風散布される。

さて、今年の目的だった満開の「フサザクラ」の写真ですが、去年はキレイに揃って
花が開いていたのに、今年は咲き方がバラバラなように見えます。硬い蕾があったり、表
皮が裂けて花が覗いていたり、すでに満開に近い状態の花があったりと揃っていません。
南側に杉林と山があって、もともと陽が当たりにくい場所です。条件は変わらないの
ですから、今年の気候が影響しているのでしょうか。下の写真は、平均的な状態です。

2.28 まだ濃紫の硬い表皮に包まれている。 3.12 表皮が割れ進んで、花穂が見える。
3.14 表皮が外れて花が開く。2部咲き位。 3.22 すでに散り始めている花もある。