2002.7.28(日)
豊橋・幸
みゆき公園「長三ちょうさん池」脇
ナガバノイシモチソウ


 
ヒメオトギリ(黄色の小花)とナガバノイシモチソウ(ピンク)
この写真で自生地の雰囲気がよく分かると思います。

2002.7.21(日)

食虫植物モウセンゴケ科
ナガバノイシモチソウ自生地
豊橋市佐藤町字池下4-1 幸公園・長三池近く
1号線を豊橋市役所から動物園へ向かう途中の「殿田橋」信号を右折し、
またすぐの信号を左折し、次の信号を右折して、ぶつかった広い道路を左。
すぐに右側道路沿いの「ナガバノイシモチソウ自生地」の案内が見える。
公園の近くを新幹線と東海道線が通る。


ナガバノイシモチソウ

ナガバノイシモチソウ(長葉石持草)は、熱帯系のモウセンゴケ科の食虫植物で、
一年草です。葉の表面や縁にある腺毛から甘く匂う粘液を出して、昆虫類を捕らえて
消化し、養分の一部とします。花は5弁で、赤花(淡紅色)と白花の2種類があり、毎
年7月末から8月初めにかけて、直径1センチ足らずの花を咲かせます。10月に種
を落として繁殖。日本ではレッドデータブックにも記載されている絶滅寸前の非常に
珍しい種類で、自生地は茨城、栃木、千葉、岐阜、愛知、三重、宮崎のごく限られた
地域のみで、まわりが開けて日光が良く当たりかつ空中湿度の非常に高い湿原のよう
な場所に生育しています。天然記念物として保護されている場所もありますがそうで
ないところも多く、開発や環境の変化で自生地が年々減少している傾向にあります。

 

かつては広かった長三池も、埋め立てられて宅地化され、アパートや学校が建てられ
ました。自生地の湿地帯はフェンスで囲まれ、その回りをコナラや松などの木々が生い
茂って、池から少し離されています。その池はきれいに整備されて、幸
みゆき公園の一
部として市民の憩の場となっています。さて自生地のほうは、ボランティアの清掃活
動以外は立ち入りが出来ませんが、花の咲く7月末から8月にかけての日曜日に、朝9時
〜10時半までを観察会として一般公開をします。今年は、21・28・4日が公開日です。

 
羽を休める川鵜と長三池         野田藤が残る藤棚と幸福橋

早めに着いてあちこち公園内を撮っていたら、予定の時間が過ぎてしまい、あわてて人
に尋ねて自生地にかけつけました。遅れて参加した私にも、係りの方は丁寧に説明して
くれました。見たような花が咲いているのでよくよく見ると、ピンクの庭石菖。テレビ
局のカメラマンも撮影に来ていて、観察している人たちを映しているようでした。地肌
が見えるのは少し土を剥がした為とのことです。そういえば、葦毛湿原関連の文章で

試験的に畳み六畳くらいの広さで表土を10cmめくったところ、4〜5年でナ
ガバノイシモチソウ、サギソウ等が生え、自然が戻った。清掃時、小さな草木のゴ
ミも搬出した。なぜなら、それが腐り肥沃な土地になると、他の雑草が増えて、湿地
ではなく森になってしまうから。又、湿原植物はやせた土地に生えるためである。

というのがありました。ここの場合は、ナガバノイシモチソウへの日光を遮断するもの
を取り除いた結果のようです。除草の仕方も時期によっては、種を剥がしてしまわないよ
う根元から千切るやり方をするそうです。時には、少し踏んだりもするそうですが。また
自生地にはホースがひかれていました。水辺から遠のき、水分を補っているのでしょう。