2003.7.23(水)
とっておきの花T
<ツチアケビ>
ラン科ツチアケビ属 (土木通 別名ヤマノカミノシャクジョウ)
山地の林内や笹薮などに生え、太くよく分岐する地下茎を持つ。葉は退化し
葉緑素がなく、枯葉等の有機物に寄生する腐生植物。また、根にナラタケの菌を取
り込み共生する(枯葉を分解するため)が、最後には消化吸収してしまうようです。


ツチアケビとの出会いは、昨年の7月11日のこと。県民の森で見た妙なもの、植物の花?実?
ひろっとして赤茶色でちょっと触りたくない代物でした。ああこれがひょっとして噂に聞いたツチアケ
ビかな、でも迫力ないなあ・・。違うかも。で、そのまま忘れていました。それが、10月5日に面の木で
ふたたび出会いました。少々萎びていましたが、間違いなくツチアケビです。図鑑をひっくり返して
調べまくって、6〜7月に黄褐色の花が咲くことが分かりました。写真ではよく分かりませんでしたが。

県民の森で 02.7.11 面の木 02.10.5

来年はきっと花を見るぞと、目標をひとつ立てました。それからというものは、今年の初夏の待
ち遠しかったこと。さて、6月になって面の木で見たものは、ツチアケビの残骸でした。ひどくガッカ
リしましたが、とりあえず写真を撮って帰りました。モニター画面で拡大して見ると、なにやら芽らしき
ものがあります。そうか、面の木はこれからだったか、と気を取り直したものです。7月3日、ツチアケ
ビの残骸はそのままで、腐っちゃったか・・と、今度は本当にがっくりしましたね。バライチゴやトリア
シショウマの写真を撮りながら場所を移動して行くと、なんと正面に憧れのツチアケビの小群が現れ
て、小躍りしながらスゴイスゴイの連発となりました。じっくり観察すると、これはどうやら花の蕾のよう
です。いっぱい花芽があります。ニンマリしながら足取りも軽く、他の植物群落を撮りにかかったよ♪

面の木 03.6.11 面の木 03.7.03

次に、昨年と同じ11日に、また県民の森へ行きました。なんと草刈の真っ只中でした。ポツン
ポツンと数えるくらいしかないヤマユリの蕾に、今年はもう終わっちゃったのかと訝しく思ったのです
が、目的はツチアケビなので、刈られていませんようにと願いつつ探しました。感心したことに、そこ
は流石にプロ。肝心な植物はちゃんと残してありましたね。ということは、今年はヤマユリの不作か
もしくは猿に食べられちゃったか・・と考えながら立ち止まり、クルリと振り返った斜面に刈り残されて
いるツチアケビがありました。なんじゃこれはと思ったくらいの代物です。咲いてる花とすでに実に
なったものと、いっしょくたの状態。県民の森でのツチアケビの花は、終わりかかっていたのです。



いいさ面の木があるさ!とルンルンで出かけたのが7月16日。咲きだしましたよ。ランの花のよ
うです。葉がないだけに、花と実のあまりの違いがまた恐いですね。ヤマシャクヤクもそうですが。




さてこれは、是非、満開の状態を見届けたいものです。梅雨はまだ明けていません。願わくは、
この下に最高傑作を飾りたいものです。出来なかったら、また来年があるさ!楽しみだあ。ホントに。






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