2002.9.5(木)・14(土)
伊良湖岬のハマカンゾウ(浜萱草)
渥美群渥美町大字伊良湖

 

伊良湖灯台から岬をぐるりと回って、伊良湖港・伊勢湾フェリー乗り場へ至る約700mあま
りの海岸沿いに群生しています。砂浜から見上げたカヤ類の生い茂った急斜面に、オレンジ色
の花群が、暑い夏の日差しを跳ね返して咲いていました。夏から秋にかけて、海岸付近の岩場
や草地に自生するハマカンゾウは、朝開いても夕方にはしぼんでしまう一日花です。ノカンゾ
ウやヤブカンゾウと違って、ハマカンゾウは、冬でも枯れずに新葉を展開し続けるそうです。

 

恋路ヶ浜の駐車場に車を止め、灯台をめざして歩いて行くと、ハマゴウやハマナデシコ、ハ
マアザミやハマナタマメが、海岸の花らしく、砂地に這いつくばうようにしっかり根をおろし
て咲いています。ハマエノコロが何とも可愛らしく、また初夏に白い花を咲かせるテリハノイ
バラが、そろそろと新しくツル先を伸ばしかかっていました。灯台近辺では、ハマカンゾウの
姿はまったく見られず、暑いわ疲れるわでガッカリしかかった頃、ぽつんと鮮やかな色が目に
飛び込んできました。よしよし咲いているじゃないのと、急に元気になってなおも歩いてゆく
と、あちらこちらにぽつんぽつんと咲いているのが見えます。岬はカーブしているので、一望
の元に見渡すことが出来ません。ですから、どんどん新しい景色が展開し、ハマカンゾウが増
え出すと、期待で足も早くなるというものです。そして港が見える場所が、今年一番の見所だ
と分かった時には、知らなかったとはいえ駐車場所を間違えたと思ったものです。ですから次
に来た時は、港に近い場所に駐車して、わんさかと咲くハマカンゾウ群をすぐに見つけること
が出来たのは言うまでもありません。小雨まじりの天候でしたが、それもなんのそのでした。

ハマゴウ ハマアザミ ハマエノコロ
ハマナタマメ ラセイタソウ ハマナデシコ



恋路ヶ浜のハマユウ
最後の夏を惜しむかのようにハマゴウを従えて凛と咲いていました。女王様のようです。

ハマカンゾウ

ユリ科ワスレグサ属
ハマカンゾウ
学名 Hemerocallis littorea


夏〜初秋(7〜9月)に
、関東南部以西・四国・九州
暖地の海岸などに群生する70〜90cmほどの多年草

1日美しい ≠ニ言う意味を持つ ヘメロカリス属
の仲間で、
カンゾウでは最も遅く迄咲く種類です。
且つ、他のカンゾウと同様に食用・薬用ともなります。

( 蕾は解熱に効く薬草 )