2008.9.24(水)

赤そば畑のど真ん中で

長野県上伊那郡箕輪町上古田金原
 林を抜けて目の前に飛び込んできた、一面の赤そばの花と青い空。信州伊那高原、標高900mの別天地です。その光景に、
来る人来る人が「うわあ、すごい!」と感嘆の言葉を発し、後はただひたすら見とれます。そして広い丘陵地を思い思いに散って、
花に溶け込んで見えなくなります。360度すべて赤そばに囲まれて、登った斜面の途中から眺めた3000m級の南アルプスの山々。
画面左より、鋸岳・甲斐駒ケ岳(2967m)・仙丈ケ岳(3033m)・間ノ岳(3189m)・塩見岳(3047m)・悪沢岳・赤石岳・聖岳。

赤そば畑のてっぺんから見下ろすと、広い大空の下、南アルプスが終わってさらに中央アルプスへつながる山端が見えていま
した。四方を林に囲まれて、ぽっかり空いた空間を埋め尽くす赤そばの花・花・花。丘陵地のなだらかな曲線を描いて広がります。イ
ンターネットマップの航空写真を見ると、中央自動車道と並行して走る203号線近くの箕輪西小学校の北西の方向、緑色の端部分
に、丁度これ位の森を切り開いた空間があります。恐らくこれがアカソバ畑の地図位置。撮影された時季が10月頃だったらなあ・・。

 赤そば畑を端から端へぐるりと回って丘陵地の左側下に降り、再び南東の山々を見上げると、南アルプスは赤石山脈の北端・
甲斐駒ケ岳(右端の木の間より覗いてる)の、さらに北へず〜っとたどった裾野の後方(左端奥)に、八ヶ岳連峰の主峰・赤岳の
威容が望めました。画面左から、天狗岳(2646m)・横岳(2829m)・赤岳(2899m)・権現岳(2715m)・編笠山(2524m)

 4.2haの畑を耕し種が撒かれたのが8月10日。9月中旬にはぽつぽつ咲き出して、ようやく見頃を迎えた赤そばの花です。
原産地はヒマラヤ。21年前に日本に持ち込まれ、品種改良された「高嶺ルビー」です。実の収穫量は白そばの1/3程度で、主に観
賞用とされますが、箕輪では食べられます♪ 白そばは、縄文時代にはすでに栽培されていたようです。  蕎麦 タデ科ソバ属。





<赤そば畑や周辺で見かけた虫たち>
アサギマダラ キタテハ ミドリヒョウモン

ハナアブ アオクチブトカメムシ ナナホシテントウ

ノシメトンボ アキアカネ ナツアカネ





<赤そば畑や周辺で見かけた花や実>
シラネセンキュウ白根川弓
セリ科シシウド属
ツリフネソウ釣船草
ツリフネソウ科ツリフネソウ属
キツリフネ黄釣船
ツリフネソウ科ツリフネソウ属

ツリガネニンジン釣鐘人参
キキヨウ科ツリガネニンジン属
ゲンノショウコ現の証拠
フウロソウ科フウロソウ属
ナンテンハギ南天萩
マメ科ソラマメ属

ツルキケマン蔓黄華鬘
ケシ科キケマン属
ヤクシソウ薬師草
キク科オニタビラコ属
アキノキリンソウ秋の麒麟草
キク科アキノキリンソウ属

ヤマハッカ山薄荷
シソ科ヤマハッカ属
ノブキ野蕗
キク科ノブキ属
ミズヒキ水引
タデ科ミズヒキ属

実イチイ一位
イチイ科イチイ属
実アオツヅラフジ青葛藤
ツヅラフジ科アオツヅラフジ属
実クズ葛
マメ科クズ属

実コバノガマズミ小葉莢迷
スイカズラ科ガマズミ属
実ウワミズザクラ上溝桜
バラ科サクラ属
実ダンコウバイ壇香梅
クスノキ科クロモジ属





赤そば畑の駐車場に9時過ぎ着。気温は16℃。時間が経つにつれて気温も上昇し、26℃近くにまでなりました。気が付くと、沢山
の赤とんぼが飛びかっています。高く高く舞い上がって、まるではるか上空を飛んでいるかのように見えました。背景は甲斐駒ケ岳。