2005.5.10(火)
八橋のカキツバタ
知立市八橋町・無量寿寺境内「八橋かきつばた園」

新緑に映えるカキツバタ  杜若 アヤメ科アヤメ属

清々しい青紫に一風の涼を覚えます。

色は濃紫(こむらさき)。絞り汁を衣服の染色に用い、カキツケバナ(擦り付け花といった意味)といわれました。名前の語源です。

唐衣 着つつ慣れにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ

「昔、男ありけり・・」で知られる「伊勢物語」九段東下りの中、三河国八つ橋で詠まれたもの。「男」は在原業平ということです。「かきつ
ばた」の五文字を五七五七七の頭に一文字ずつ置いて詠む「折句」という手法を使った歌です。千年以上も昔のこと、失意の中で東国を目指
した旅は、苦難の連続であったろうと思われます。八橋あたりの湿地に群生する美しい杜若の花を見て、都に残してきた妻を思い、日々の生活
を思い、はるか遠くまでやってきた旅を悲しく思ったことでしょう。緑豊かな庭園に、スズメやヒヨドリが訪れ、カラスアゲハが飛び交う午後のひとと
き。池を渡る心地よい風が花を揺すり、一服のお茶で乾いた喉を潤します。静けさと花の美しさを心行くまで堪能して、八橋を後にしたことです。


開いたばかりの花は色も濃い。だんだん薄れてゆくようです。

色の薄れたカキツバタ。花の美しさは変わりません。




アズマキシダグモ? イチモンジカメノコハムシ??
何か動いている、と覗き込むと・・。細かい足で全力疾走。あっという間に葉の裏側に逃げてしまいました。
ピントを合わせる間も無いくらいでした。本当になんじゃこれは?抜け殻を背負っているらしい?