2015.10.8(木)

木地師屋敷跡で

愛知県北設楽郡設楽町津具高笹
 枝間から見える青空との境が駐車場の位置です。そこから階段を降りた横の斜面一帯に、光と影が織りなす緑濃い風景が広がります。
カワチブシはすでに花期の終盤。花も実もあるという状態でした。勿論、まだこれからの株もありましたが。  河内附子 キンポウゲ科トリカブト属






 花弁に見えるのは実は萼で、距を持った極細のツリフネソウ風の花が2つ、烏帽子の中にあります。奥の二本の縦筋が花の根本。長い中舌
を持ったトラマルハナバチにとって、渦巻き状の距から蜜を吸い取るのは簡単な事です。多量の花粉を身体に付けることで、受粉を手伝います。






 そのトラマルハナバチ達が、花から花へ飛び回っています。長い舌を出したまま、ブンブンと吸蜜活動に忙しそう。もう少しこっちに来てほしい!






 今は撤去された木地師復元屋敷を通り過ぎてさらに南へ下ると、やがて湿地帯に。ロープで仕切られた古びた木道の上を歩くのですが、
ちょっと木道が沈んだりする為、満開のウメバチソウや咲き出したヤマラッキョウに気をとられていると、滑ってこけそうになるので注意が必要かと。
ウウメバチソウ梅鉢草 ユキノシタ科ウメバチソウ属






 湿地帯も過ぎた植物群落のはずれ、緩やかな斜面。かつてはあちこちにシオガマが見られましたが、今ではもう、わずかに咲くのみです。リン
ドウがあちこちで綺麗な青色の花を咲かせて心和みます。整備された川を渡ると、やがて林道に付き当たって、石の広場の周回路へと続きます。
リンドウ竜胆 リンドウ科リンドウ属






あわてず騒がずアキアカネ雌 こちらを気にしていたマダラバッタ褐色型

リンドウに張り付いていたクロヒラタアブ 光の中にいたアサギマダラ 木陰の中から






ワタムキアザミ綿向薊
キク科アザミ属
スズカアザミ鈴鹿薊
キク科アザミ属
サラシナショウマ晒菜升麻
キンポウゲ科サラシナショウマ属

エンシュウツリフネソウ遠州釣舟草
ツリフネソウ科ツリフネソウ属
トモエシオガマ巴塩竃
ゴマノハグサ科シオガマギク属
センブリ千振
リンドウ科センブリ属

ヤマラッキョウ山辣韮
ユリ科ネギ属
セキヤノアキチョウジ関屋の秋丁字
シソ科ヤマハッカ属
実ガマズミ莢迷
スイカズラ科ガマズミ属

実ツリバナ吊花
ニシキギ科ニシキギ属
実チチブドウダン秩父満天星
ツツジ科ドウダンツツジ属
実メギ目木
メギ科メギ属

実フウリンウメモドキ 実スイカズラ吸葛
スイカズラ科スイカズラ属
実オオウバユリ大姥百合
ユリ科ウバユリ属

実ツルリンドウ蔓竜胆
リンドウ科ツルリンドウ属
実スルガテンナンショウ駿河天南星
サトイモ科テンナンショウ属
実ツチアケビ土木通
ラン科ツチアゲビ属






楽しみにしていたものの一つ。5月に花を見てズミと思っていたら、キミズミだったという事が、たった一つだけ残っていた実で分かりました。
黄実酢実 バラ科リンゴ属