2014.11.21(金)

ベランダから幻日を

豊川市
夕方近く4時頃、何気なくベランダに出て見た南西の空、すでに太陽は山並み近くまで下がってきていました。今まで幾度となく見た夕方近くの空。お馴
染みの光景が広がっていましたが、今日はそれに虹彩が加わっていました。まだ強い光を放つ太陽は眩しく、しかし、はっきりと幻日が出現していました。






「幻日」とは、太陽と同じ高度で、太陽から視半径22度の位置に光が見える大気光学現象をいいます。風が弱い場合にのみ、空気抵抗によって水平に浮
かぶ、雲の中にある六角板状の氷晶に、太陽の光があたってプリズムを作りだした時、この現象が起きます。季節には関係なく、条件が整った朝夕の太陽高度
が低い時(おおよそ40度以下の時)、太陽と少し離れた場所に縦型の虹のようなものが見られます。今回、少し上に弧を描くように伸びているのが分かります。






太陽側が赤く、外側が青くなります。「太陽が暈(かさ)をかぶる」と言いますが、幻日は、その暈(実際に見えずとも)に接するような形で現れます。時には、上下
左右にも。それぞれ、上端接弧(じょうたんせつこ)・下端接弧(かたんせつこ)・左幻日(ひだりげんじつ)・右幻日(みぎげんじつ)と呼ばれます。これは、左幻日です。






30分程で見えなくなりましたが、幻日はそれほど珍しい現象ではありません。薄くて気がつかないことも。雲を焦がすように輝いて、太陽は沈んでゆきました。






再び色を変えて、渥美半島の蔵王山や衣笠山を青く浮かび上がらせて、あっという間に夕闇へと変ってゆきました。まさに、秋の日はつるべ落とし、です。