ススキ・薄・茅・尾花おばな
イネ科ススキ属 カヤ
日本全土に分布

山は暮れ野は黄昏の薄かな  蕪村

秋の野の 尾花(をばな)が末(うれ)の 生ひ靡(なび)き 心は妹(いも)に寄りにけるかも
万葉集第十巻2242 柿本人麻呂

秋の野の尾花の先が(風に)なびくように、私の心はあの娘になびいてしまったのですよ。

林や秋空をバックに銀の穂を揺らすススキには、何故か寂しさにも似た
郷愁を覚えます。誰もが心に持っている、故郷に対する原点なのでしょう
か。平地や山地の日当たりのよい場所に普通に見られる大型の多年草で、
大きな株を作って群生します。ススキとは、すくすく立つ木(草)という意
味のようです。家畜の飼料や茅葺屋根の材料など、古くから日本人の暮ら
しに密着してきた野草です。古名の尾花とは、花穂の姿によるものです。

  
  9.13 作手村にて       10.15 豊橋・葦毛湿原駐車場にて      10.26 伊良湖岬にて