藤袴
キク科フジバカマ属 中国原産の多年草
関東以西の本州・四国・九州に分布
藤袴 吾亦紅など 名にめでて 高浜虚子
秋風に ほころびぬらし ふぢばかま つづりさせてふ きりぎりす鳴く 古今集 在原棟梁
藤袴の花が秋風のために破れてしまったよ。だからきりぎりすが繕わせてと鳴いているのだ。
唐の時代に香草として重用され、日本には奈良時代、遣唐使によって渡来したそう
です。乾燥させるとクマリンという爽やかな香り(桜餅の香り♪です)を放ちます。葉
は3深裂し濃い緑色で光沢があり、やや厚く縁に鋭い鋸歯を持ちます。淡紅紫色の花
が茎の頭部分に多数集まり、さらに白っぽい糸状の冠毛を出します。これが不思議。
フジバカマ属の花全てが持つものです。扉の写真は、音羽川沿いの民家の外庭に咲く
株を撮ったものです。また接写画は、西尾市の「憩の農園」で、切花として売られてい
たものを求め撮りました。フジバカマの自生地である河原は、護岸工事の為に整地さ
れて、自然の中でその姿を見ることは
、もはや難しくなりました。見かけても、サ
ワヒヨドリだったりヒヨドリバナだったり。現在、絶滅危惧種に指定されています。
開花直前の全草を取って乾燥させ、皮膚のかゆみ(浴湯料)や利尿・黄疸に利用される
そうです。平安時代の女性は、乾燥させた茎や葉を入れた水で、髪を洗ったそうな。
フジバカマです。画面では小さいですが、ヒヨドリ系とほぼ同じ大きさです。9.21撮影
下の写真 左はサワヒヨドリ、右はヒヨドリバナ。ともに作手村・鬼久保の湿原で9.3撮影。