2003.1.10(金)
風雪に耐える寒牡丹
奈良県北葛城郡當麻町染野 石光寺 せっこうじ
近鉄南大阪線「二条神社口にじょうじんじゃぐち 」と「當麻寺たいまでら 」の中間あたり165号線沿いに位置する。

   


近くの當麻寺とともに、 牡丹の名所として知られる石光寺は、天智天皇の頃、光を放つ不思議な石で彫られた
弥勒菩薩 を本尊としたのが、始まりだそうです。境内には500種約3000株の牡丹があり、そのうち1割が寒牡丹です。
牡丹は中国・長安 辺の高原地帯が原産地で、日本には天平時代(8世紀半ば頃)に渡来しました。 突然変異
季節外れに咲いた牡丹の改良を
重ね、固 定化させたものが、寒牡丹です。日本人の感性が産んだ、日本ならではの
品種です。とはいえ、寒さに耐え葉
を出す力さへ惜しんで、花を咲かせようとする健気さには、 胸打たれるものがあ
ます。
また冬牡丹と言われるものは、
普通の春咲き株を温度調して冬に咲かせたものです。當麻寺・奥院では、日
頃見慣れた豪華な美しい姿の冬牡丹が見られました。それでもやはり、春の豪華絢爛な花姿には及びませんが・・。

霜や雪を避ける為の藁ぼっちで覆われた寒牡丹の、終わる花と咲き出す花の丁度端境期に訪れてしまいました。
   
蝋梅の蕾が膨らんで、シロワビスケがひっそり開き、寒咲きアヤメが咲いていました。
  

當麻寺の国宝・東西の塔と奥院・阿弥陀堂裏の浄土庭園。冬牡丹は、豪華なこれぞ牡丹という咲き方でした。