2008.5.22(木)

東栄町・振草渓谷 大千瀬川の渕で

北設楽郡東栄町本郷から薗目

大千瀬川は、設楽町との境にある大鈴山(1011m)に源を発し、東栄町を横断して静岡県佐久間町に入り、最後は天竜川に合流
します。北西の振草地区から薗目地区までの約18.4kmが振草渓谷と言われ、滝や渕を形成しています。ですから、東栄町では振草
川といった方がしっくりくるかもしれません。「蔦の渕」は、東栄町を貫き通る大千瀬川のほぼ中央になる、幅30m落差10m程の滝です。
下流の川角橋を過ぎた先にある「煮え渕」と常盤橋先の「預り渕」では、河川の侵食地形のひとつ、愛知県指定の天然記念物のポットホ
ールを見ることが出来ます。岩盤の窪みに入った石が水流によって回転し、長い長い年月の間に穴が拡大したもので、過去1億年間の
地質学的・地形学的な記録を留めているそうです。やがて6月になれば、鮎釣りが解禁されます。振草渓谷は絶好の釣りポイントです。
 蔦の渕その1。本郷・東栄変電所側より。画面右手を473号線が走り、東栄温泉の施設が、葉陰にチラチラと見えています。

蔦の渕その2。その473号線沿い下田・東栄温泉裏手の展望台かり見るとこんな感じ♪ 水量が多いときは岩が隠れてしまう位だとか。

 川角・煮え渕ポットホール。大水瀬川に架かる赤い吊り橋には、一人づつ渡るようにと注意書きがありました。カメラを持っていなか
ったら、ぜ〜ったいに乗りませんね。微妙に揺れるのが恐ろしくって、両手で掴まって決死の覚悟で3分の1まで渡ったところで撮影。

 川角・煮え渕ポットホール。鋭く柔らかく湾曲した不思議な形の岩。手前下の岩中に丸くえぐられた穴が見えます。これは吊り橋の
下の岩場から撮りました。大地にしっかり足を踏ん張って、もう恐くないもんね。しかし473号線を車が通る度に地響きを感じ足元が揺れる
感じがするのは、吊り橋の恐怖で足がまだガクガクしているから?これは、岩につまづいて転ばないように気をつけなくてはいけません。

 東薗目・預り渕ポットホール。案内表示の所から、民家の敷地を横切るように川方面に降りて行きます。観察用のしっかりした(ヨカッ
タ!)橋が架かっていて、そこから斜めに望めるようになっています。これが預り渕かあと橋から川を覗き込んだ途端、シロサギ(多分ダイ
サギとコサギ)がバサバサッと3羽飛び立ちました。何もいないと思っていたのと本当に突然だったのとで、心臓が止まるほどびっくりしまし
たが、兎に角シャッターを押しました。空とも岩ともつかぬぐちゃぐちゃの画面に、鳥の翼らしきものがボケボケで写っていただけでした。
絶好のシャッターチャンスだったと、しばしぼやいてしまいました。渕への途中には、コアジサイ群が林陰の中で薄青く咲いていました。

預り渕の橋の上から、振り返って見た振草渓谷。ゴーゴーと音立てて曲がる渕とはまた違った、山紫水明の凛とした上流地域の川です。




ムカシヤンマ 蔦の渕 フタスジサナエ 蔦の渕

ホンサナエ 煮え渕 シロオビアゲハ 煮え渕

アオスジアゲハ 蔦の渕 モンシロチョウ 煮え渕

ホシハラビロヘリカメムシ 下田塩津付近 クサギカメムシ幼虫 蔦の渕 キタヒメヒラタアブ 下田塩津付近

スジアカハシリグモ 下田塩津付近 ササグモ 蔦の渕 ザトウムシ 預り渕




 渓流に咲くサツキ 煮え渕
皐月 ツツジ科ツツジ属
 林陰のコアジサイ群 預り渕
小紫陽花 ユキノシタ科アジサイ属

マルバウツギ 預り渕
丸葉空木 ユキノシタ科ウツギ属
コゴメウツギ 下田塩津付近
小米空木 バラ科コゴメウツギ属
コウゾリナ 蔦の渕
剃刀菜 キク科コウゾリナ属

ノアザミ 煮え渕
野薊 キク科アザミ属
ドクダミ 蔦の渕
毒溜 ドクダミ科ドクダミ属
ヒメレンゲ 蔦の渕
姫蓮華 ベンケイソウ科マンネングサ属

コナスビ 煮え渕
小茄子 サクラソウ科オカトラノオ属
キランソウ 煮え渕
金瘡小草 シソ科キランソウ属
イヌガラシ 蔦の渕
犬芥子 アブラナ科イヌガラシ属

ヤマグワの実。黒くなったら完熟。勿論食べられます。たわわに実ってました。 山桑 クワ科クワ属  煮え渕で