2008.7.11(金)

ロープウェイ下の野草群

長野県下伊那郡阿智村智里 ヘブンスそのはら
 展望台から眺めても、曇っている為に遠くの景色は霞んでいます。曇り日を承知で来たけれど、それでもやっぱりがっかりです。セ
ンターハウスとペアリフト乗り場の屋根が鮮やかに浮かび上がり、キティーちゃんの花時計とその上に広がるコマクサ園が見えました。あ
ちこち歩き回っているうちに雨が降り出して、さらに上の富士見台高原へ行くことは断念。ビニールマントを羽織って戻ることにしました。
しかしねえ、山麓駅に戻った途端に青空とはどういうことかなあ。さぞかし遠くまで望めたことだろうに。これが山の天気さ、残念ながら。

 駐車場の山麓駅からロープウェイに乗ります。登って下って谷を渡って登って、全長2500m高低差600mを10分かけて山頂駅まで
行きます。ノリウツギが満開、リョウブも咲いている、イワガラミが幹を這い登り、ミヤママタタビのピンクの葉先が緑に映えます。ゴトゴト揺
れながらどんどん進む為に、少し離れた景色は何とか撮れましたが、すぐ脇や足元近くの木々は残念ながらまったく撮れませんでした。

5分の道のりをペアリフトに乗って。ご覧の通りだあれも乗っておりません。すれ違ったのは二組だけでした。貸切状態の何とももっ
たいない有様です。夏季営業が始まったばかりで、あちこちで手入れや整備に余念の無い施設の人達の方が多いくらい。ただ、リフ
ト下を彩り延々と続く真っ赤なベゴニアが見事なので、思わず撮ってしまいました。ヤマオダマキやオカトラノオが多数見られました。




<コマクサ園で>
 降っていようが曇っていようがそんなの関係ない、コマクサの写真さへ撮れたら大満足なんですが、訪れたのが一週間ほど遅かった
ようです。山頂駅でロープウェイを降りて、キティちゃんの花時計の横を進むと、そこがコマクサ園。出合った肝心のコマクサ(少なくとも
1000株はある筈なのにとても少ない)は、残念ながら終わりかかっていました。2000年5月エムウェーブで開催された第一回ながの「山
と花」フェスタで室内展示(バイオ技術で育成調整)されたものを移植し、無事に根付いた高山植物のうちの一つです。コマクサ園では
他に、ウスユキソウ・タカネナデシコ・シコタンソウも終わりかかり、ホソバイワベンケイは蕾でした。散策路脇のあちこちでヨツバヒヨドリの
蕾が膨らんでいました。種を飛ばしたマーガレットも雑ざって、ハナアブが忙しそうに飛び回っていました。   駒草 ケシ科コマクサ属

タカネナデシコ高嶺撫子
ナデシコ科ナデシコ属
ウスユキソウ(エーデルワイス)薄雪草
キク科ウスユキソウ属
ホソバイワベンケイ細葉岩弁慶
ベンケイソウ科イワベンケイ属

イブキジャコウソウ伊吹麝香草
シソ科イブキジャコウソウ属
シコタンソウ色丹草
ユキノシタ科ユキノシタ属




<リフトやロープウェイの周辺を歩き回って>
杉の木に絡みつき這い上がるイワガラミと、そのイワガラミにさらに絡みついたマタタビです。マタタビの蔓には、虫えい(虫こぶ。
マタタビアブラムシ等の寄生昆虫によって果実が変化したもの)と通常の実が両方見られました。ネコ科の動物がマタタビ酔いを
起こすのは、通常の実ではなく、虫えいの方です。    岩絡み ユキノシタ科イワガラミ属    木天蓼 マタタビ科マタタビ属

イワガラミとマタタビ葉  マタタビ虫えいと実

ムラサキシキブ紫式部
クマツヅラ科ムラサキシキブ属
タマアジサイ(蕾)玉紫陽花
ユキノシタ科アジサイ属
ハゴロモグサ羽衣草
バラ科ハゴロモグサ属

キバナノヤマオダマキ黄花の山苧環
キンポウゲ科オダマキ属
ヤマホタルブクロ山蛍袋
キキョウ科ホタルブクロ属
オカトラノオ丘虎の尾
サクラソウ科オカトラノオ属

ノアザミ野薊
キク科アザミ属
ウツボグサ靫草
シソ科ウツボグサ属
アカツメクサ赤詰め草
マメ科シャジクソウ属

ヨツバヒヨドリ(蕾)四葉鵯
キク科フジバカマ属
イワニガナ(ジシバリ)岩苦菜
キク科ニガナ属
ネジバナ捩花
ラン科ネジバナ属

ヒカゲノカズラ日陰の蔓
ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属
実ミツバアケビ三葉木通
アケビ科アケビ属
実ニガイチゴ苦苺
バラ科キイチゴ属





オオウラギンヒョウモン雌 ウラギンヒョウモン ヒメキマダラヒカゲ

ヘリグロチャバネセセリ キンモンガ マユタテアカネ

シリアゲムシ セスジジョウカイ ハナアブ




<帰り道、本谷川を覗いて見たら・・・>
イソシギが一羽、飛び跳ねていました。「ヘブンスそのはら」では鳴き声だけで姿が見えず、結局、今日最初で最後の鳥さんでした。