2010.5.15(土)

藤川宿のむらさき麦

岡崎市藤川町
むらさき麦は大麦の栽培品種で、食用というよりはむしろ鑑賞・染物などに使われました。「紺屋麦」または「高野麦」といわれ、
茎や穂が紫色になる美しい麦です。藤川で栽培されるむらさき麦は「大公館 だいこうかん」という種類で、この写真は、西棒鼻跡向か
い(藤川小学校前)の栽培地です。他に、「東棒鼻跡」と名鉄「藤川」駅横、「脇本陣跡」(藤川宿資料館)裏地にも栽培されています。

戦後までは細々と作られたきたむらさき麦も、いつの間にか消えてしまい、幻の麦となってしまいましたが、町おこしの一環とし
て、10年前より再び栽培されるようになりました。脇本陣跡(藤川宿資料館)の裏には、4種類のむらさき麦が栽培されています。左
側の石垣は本陣跡。藤川宿の栽培地はいずれも、鳥に襲われないように、ネットですっぽり覆われていますが、もう一ヶ所、1号線の
北側に、覆いの無い広い栽培地があったようです。後にそのことを知って、探しに行った時にはすでに遅く、消滅していました。ブル
トーザーがガーガー整地していた所が、多分そうだったのだろうな。辺り一帯ずう〜っと、茶色い麦畑が広がっているばかりでした。

少しずつ色づいてゆく様子が分かります。西棒鼻跡向かいの麦畑で撮りました。ネット越しで、いまひとつすっきりしませんが。

稲穂のように頭を垂れるむらさき麦。茎や芒(のぎ・細長いヒゲ状のもの)までも紫色に染まる。脇本陣裏手のむらさき麦栽培地で。

松尾芭蕉は、「 ここも三河 むらさき麦の かきつばた 」 と詠んでいます。 在原業平( 9世紀・平安初期の貴族、歌人)により、
かきつばたで有名な知立宿も三河なら、この藤川宿も三河、ここにはむらさき麦というかきつばた( に劣らぬもの )がありますよ、と。





隠れた獲物を探し続けるセグロアシナガバチ カラハナの上で獲物を捕らえたコハナグモ

ツバメ スズメ カワセミ





本陣跡の石垣より、名鉄のゾロアーク・キャラクター電車を眺む。これは初めて見ました。ポケモン電車は終わっちゃったのか?







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