2010.3.31(水)

満開の吉祥桜

新城市一鍬田字吉祥山
吉祥桜(きちじょうざくら)。吉祥山の北側に位置。ゴルフ場への進入路をくねくね登った所の、カーブ途中の山側斜面に立つ。
すぐ目に付き、見逃してしまうことはありません。2・3台なら路駐可。平成13年4月に取り付けた案内板に、樹齢は推定300年とある。

 「世界の桜の里」から見た吉祥山。北(右)へ少し回りこんだ301号線の摩訶戸神社の交差点付近から、正面に吉祥桜が望
めます。吉祥山は豊橋市と新城市の境界にある標高382mの里山です。平安時代、山の中腹に今水寺という寺院があって、その奥の
院として吉祥天女が祭られていたことが名前の由来と云われます。弘法大師ゆかりの寺として知られ、鳳来寺と並ぶ東三河屈指の大
寺院でしたが、16世紀末に戦火に遭い(武田信玄が野田城を攻撃する際、協力を拒んだ為に焼かれた)、姿を消したと云われます。

 「世界の桜の園」へ301号回りで行く途中、吉祥山中腹にぱっと目に飛び込んだ満開の桜。ひょっとして吉祥桜? 帰ってから
調べてみると、地元からも見えるという記述を発見。やっぱり!というわけで翌日勇んで出かけました。昔はもっと多くの桜が自生して
いたのですが、戦後に杉の植林事業が始まって、大半が伐採されたとのこと。地元の一鍬田の住民達は、残ったうちの一本を吉祥
桜と呼んで、大切に保護してきました。毎年、麓の集落からは、山の中腹に白っぽい桜が咲き誇る様子を見ることが出来るのです。

 立ち並ぶ杉林の中から際立って抜きん出て、しっかりと独り立ちした堂々たる木です。樹高約20m、幹周り約3m。